振付作り|ダンスインストラクターが作品を作るときに考えていること

創造

2026.02.23

振付作りイメージ画像

私は高校の時からダンスをやっていてコンテストで全国大会出場経験もあり、今ではインストラクターや振付師として活動しています。

自分の作品は割と定評があり、条件が揃えば自分でも得意な方かなとは思っています。そんな私が振り付け作りや構成、踊りの作品を作るときに意識していることを書き留めておきます。

目次

  1. 発表時期や練習時間、メンバーの把握
  2. 作品を構想、イメージする
  3. 音楽を探す
  4. 振り付け、構成作り
  5. 振り落とし、練習
  6. 衣装探し
  7. 発表、振り返り

1. 発表時期や練習時間、メンバーの把握

  • 練習時間を把握して工数を考える
  • メンバーを決めて、理解する
  • 発表日から逆算して考える

その時によって違うのもあるのですが、まずは発表時期や練習時間、メンバーの把握から入ります。理由としてはどれだけ練習できる時間があるのかによって作れる作品が変わってくるからです。

例えば少人数で活きる作品もあれば大人数で活きる作品もあるし、その中でもメンバーの得意不得意やキャラによっても作品の構成が大きく変わってきます。

また、作品を作るにあたっても練習時間なども限られているケースがほとんどです。人によっては社会人で働いていたり学生で学校に行っていたりと当たり前ですが全員が全ての練習に出れるというのは結構稀です。

なので発表の日やメンバーから全てを逆算して考える必要があります。逆にいうとこれをちゃんとやっておくことによってそこに制約ができてどの日までに何をしておくべきかが明確に見えてきます。

本当はここまで事前に準備しておくことがベストではあるのですが急にイベントが入ったり、急に出れない人が出てきたりというケースはやはりあります。なのである程度臨機応変な対応は必要ですが事前の準備はやはり大切だと思っています。

2. 作品を構想、イメージする

  • 何を表現するのかを考える
  • やりたいことや戦略を練る
  • 作品のゴールを決める

メンバーや発表の日や練習時間の把握ができたら、次は作品の構想をします。

具体的にいうとそのメンバーでどういう作品にしたいのか、どういう表現をして観ている人に何を届けたいのか、それをどうアウトプットとして落とし込むのかを考えていきます。

ここから既に舞台演出や構成作りは始まっていると思っていて、例えばコンテストなのか舞台なのかによっても戦略が変わってきます。それはコンテストでウケる作品と舞台でウケる作品はまた別物だからです。あとは流行りに乗るのか、あえて乗らないのか、楽しい作品にするのか、悲しい作品にするのか、どんなジャンルで踊るのかなど挙げるとキリがありません。

もちろん音楽からインスピレーションを膨らませるときもありますが、いきなり音楽から入るとそちらに引っ張られすぎてしまう可能性があるのであくまで自分や踊る人の表現としてイメージします。

ある意味どこをゴールにするのかを定めるポイントと言っても過言ではありません。ただこのゴールを決めておかないと途中で迷いが出てしまい意思決定が曖昧になってしまいます。

そうなると軸がブレて踊り手が困ってしまったり練習の時間が少なくなってしまったりするので個人的には1番大事なフェーズだと思っています。

3. 音楽を探す

  • 普段から色んな曲を聴いておく
  • 音楽の編集スキルをつけておく
  • 起承転結を意識する

イメージや構想がある程度固まったらここからやっと何の曲で踊るのかを探します。ダンスは音楽ありきなので当然ながらここの選曲にも個性やセンスが出ます。

基本的にはそのジャンルに適した音楽を選ぶのがセオリーかと思っていますが、あえてセオリーを外すという戦略もアリだったりします。凄く極端な話をするとクラシック音楽でヒップホップを踊るとかももしかしたら面白いかもしれません。

また、一曲構成でいくのか二曲を編集して作品にするのか、その二曲のイメージは揃えるのかバラバラにするのかなども一つの要素になってきます。曲の編集スキルも振付師にとって大事なスキルです。個人的には一曲構成の方がシンプルで世界観を統一しやすいのでよくやります。

ここはもう普段どれだけ音楽を聴いているのかによるのかもしれませんが普段からいろんなジャンルの音楽を聴くようにはしています。それは曲のジャンルを絞ってしまうことによって表現の幅を狭めたくないからです。場合によっては使いたい曲リストとしてストックをするときもあります。

あとはここの時点で起承転結を意識しながら曲を探すことが多いです。つまりは盛り上がりどころや逆に落とす箇所、どこに沸点を持ってくるのか、始まり方や終わり方のイメージをつけておくことによって次の振り作りや構成作りがスムーズになるし、見ていて飽きない構成作りの基盤となります。

4. 振り付け、構成作り

  • 構成表を作っておく
  • 見ていて飽きない構成作りを目指す
  • 抽象から具体的にデザインする

今まで決めてきた構想や音楽を形にしていきます。振り付け自体は踊る人が気持ちよく踊れる範囲を意識して作るのですが、それよりも重要なのが構成だと思っています。

というのも振り付けを作って全員でただ正面を向いて踊るだけだと観ている側が飽きてしまうからです。ここが振付師としての腕の見せ所でいかに観ている人が飽きずに世界観を表現できるかというフェーズです。

自分はまず曲を聴きながらデザインソフトでメンバーの配置を決めるところからやります。いわゆる構成表というものを作ります。

ここで前後の人が入れ替わるとか、ここで何人で踊る、こういう振り付けで移動してここで合流する、ここでソロパートがあって次の展開を作るなどできるだけ細かく決めます。そうすることにより振り付けを効率よく落とすことができるし抽象的だったイメージが一気に具体的になります。

賛否はあるかもですが私は構成作りや振り作りはある種デザインだと思っているので、細かいところまで緻密に設計しています。

5. 振り落とし、練習

  • 実際に振りを落とす
  • ギャップを埋めながらブラッシュアップする
  • 早めに振りを落として練習時間を多く確保する

構成表や音楽や構想を含めてここまで準備してやっと振り落としをします。ただ、時間的な問題もあり同時に振りだけ落とし始めているというパターンもありますがここまで決めた上で振り落としをするのが理想ではあるかなと思います。

あとは淡々と設計図通りに進めていくのですが、実際に見てみるとイメージと少し違うとか、想定より場所の移動に時間がかかる、なんか不自然な部分があるなどもちろん問題も出てきます。そういう箇所をブラッシュアップしながら調整修正します。

というのもいつも見ている生徒なら大体これくらいは踊れる、これくらい動けるなど把握できるのですがそうでないパターンも稀にあるのでそこのギャップを埋める時間はどうしても必要になってきます。

あとは当然振りを落として終わりではなくその後に練習して完成度を高めるというのも大切なのでできるだけ早い段階で振り付けや構成を確定させて練習の時間を多く確保できるように工夫するようにしています。

ここにどれだけ時間をさけるかで作品の完成度は大きく変わってきます。

6. 衣装探し

  • 作品に合う衣装を探す
  • イメージに合う衣装を探すのは難しい
  • 振付師のセンスも問われる

衣装もダンスを行う上で非常に大切な要素になってくるのですが、ここも非常に悩みどころが多いパートです。

上から下までバシッと揃えて舞台に上がれるともちろん格好良いのですがお金もかかりますし子供から大人まで一緒に踊ることも多いのでサイズ的な問題もあります。かつイメージに合う衣装がなかなか見つからなかったり、見つかっても季節的な問題で売っていなかったりも実際問題としてあります。

そういう時はもうありもので用意してもらって、なければ購入してもらったりしています。例えば下は黒で上はこの色のシャツで、ジャケットを着用とか、カジュアルなアイテムではなくてドレス系のアイテムで統一などの決まりを作ってしまいそれに沿って用意していただくということです。

私はシンプルな世界観が好きなので派手な衣装というよりは踊りの世界観を崩さない衣装をチョイスすることが多いですが、ここも正直振付師のセンスに左右されます。

7. 発表、作品の振り返り

  • いつも通りを出せるかが大事
  • 作品の反応を把握しておく
  • 人の感情が動くことへのリテラシーを磨く

練習に練習を重ねて衣装も決めてとうとう発表します。舞台だったり祭りのイベントだったりするのですが基本的に実際の環境でリハーサルなどできることは少なく、本番一度踊って終わりというケースが多いです。

床が違ったりお客さんがいたりといつも練習している環境とは違うのでいつも通りを出せるかが鍵になってくるのですが、当然ミスをしてしまうこともあるのですがそれを含めて楽しめるかどうかって凄く大切だと思ってます。

個人的に意識していることではありますが、作品の反応を把握しておくというのは大事です。というのもただの自己表現なら自己満足で大丈夫なのですがある程度客観的にどうだったかというのを把握することによってウケてるウケていないの感度を磨くことができます。

そうすることによって次の作品に活かすことにも繋がりますし、自己満足だけで終わらない価値のある作品を作れる可能性が上がります。もちろんウケる作品を作るだけが振付師の仕事ではないとは思っていますが人の感情が動く、動かないのリテラシーをつけておくことはAIに対抗する必須スキルなのではないかと思っています。

まとめ

ダンスインストラクター、振付師が作品を作るときに意識していることをご紹介しました。全体的に計画的に準備をしっかりとすることが大切で、もちろん人によってスタンスもあるし最適解とかはないかもですが誰かの役に立てばと思っています。

(筆者)

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Ukyomas

Webデザイナー、振り付け師、ミニマリスト。人生の余白を作り、個人がストレス無く生活して自由に創造できる未来を目指している。

筆者について